塔12月号掲載短歌

解散せしバンドのCD聴きたればふいに眼前モノクロになる   飯村みすず

足元の土の歴史を言ふときの君の瞳は黒鍵のいろ

母さんは虫も捕まへられないし足も遅いと吾子に嫌はる

体とか心のどこかが痛いときひとりで家にゐるのは淋し

いつのまにか宝箱がごみ箱になるほどわたし歳とつたのね
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# by 31life | 2009-12-28 17:07 | 掲載短歌  

My Favorite 塔 8月号 (作品2 池本一郎 選)

 塔 8月号 (作品2 池本一郎 選)からお気に入りを。


花酔ひの闇はひととき濃くなりぬブレスレットはひざにこぼれて   澄田広枝

惚けたらきっと私は本屋にて帯書(おびがき)読んでいるから 捜して   津野多代

お姉ちゃんになったのだからなどと言うな二児の父になれば子は吾に告ぐ   中野満代

帰省する子にふるさとは美しくあれ中央通りの躑躅咲き初む   明田光子

子によれば神奈川県はペガサスで茨城県はおっぱいに似る   尾崎智美

いくつもの記念時計に囲まれて書斎の中にわれはいるなり   鈴木啓三

差出人は父から兄に変わりたる小包届く季節のはじめに   沢田麻佐子

錯覚のままに過ぎ来し二年ほどを生き生きとしていたと言われき   西川啓子

人身事故のアナウンスあり一日が終わらんとする夜の車内に   みやちせつこ

思ひきりねぢりて捨てしビニール袋逆らふやうに徐々に籠いづ   関山正雄
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# by 31life | 2008-08-20 19:04 | My Favorite  

塔 8月号 掲載短歌

<作品2 池本一郎 選>

あの人はあわいみずいろ前髪をふわりなびかせ近づいてくる   飯村みすず

おかしくもないのに笑う藍ふかく沈殿してゆく午前三時に

いっそのことこのアスファルトで果てようか蒸発しそうな夏の朝(あした)に

さようならテールランプが点滅し遠ざかってゆく あなたはだあれ



<百葉集(一首選) 永田和宏選>

いっそのことこのアスファルトで果てようか蒸発しそうな夏の朝(あした)に   飯村みすず



<六月号 黒住選歌欄評  >

すれ違いつつ入りたる三越のトイレの個室にチョコのにおいす   飯村みすず

(以下 市 美穂 評)
実際に体験しなければ生まれてこないような不思議かつ面白い歌。トイレとチョコという組み合わせが作者にとって印象的であったからこそ生まれたのだろう。
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# by 31life | 2008-08-15 18:24 | 掲載短歌  

欠詠してしまった・・・

塔に入会して1年半になるが、初めて欠詠してしまった。

9月号に自分の短歌が載らない。

私はいつも締め切りの直前になってようやく歌の推敲を始めるのであるが、今月はその直前に体調が悪くなってしまい、結局出さないまま締め切りが過ぎてしまった。

その時は体調の悪さから「もーどーでもいいわ」的な発想で出さなかったが、いざ元気になってみると9月号の楽しみが半減してしまい、かなしい。

もうすこし余裕を持って短歌を詠み、その都度推敲していかねばなるまい、と反省しきりであった。

みすず
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# by 31life | 2008-06-25 19:23 | 日記  

塔 6月号 掲載短歌

   黒住 嘉輝 選

夜半起きて家計簿つける習慣よ吾子は寝言も喃語なりけり   飯村みすず

おちこちの地より歩みて来し人の靴が無限に並ぶ行列

すれ違いつつ入りたる三越のトイレの個室にチョコのにおいす

独身の気軽さなどを聞き続け結婚しない理由は聞かず

子育てもやりがいあって楽しいと言いつつ隠すささくれた指
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# by 31life | 2008-06-15 16:38 | 掲載短歌  

My Favorite 塔 5月号(作品2花山多佳子選)

作品2 花山多佳子 選欄 より

手を叩きながら媼のうたう唄はいつもつづく感じに終わる   保村たまき

寒空にアキレス腱を伸ばすとき少女はなべて怖ろしくあり   金田光世

東京は大都市にして森のようビルの狭間で迷える二人   青木初枝

頭から酒かけられるほど酒好きな俺ではないと墓なる父は   赤梨和則

オカリナは売られてをりぬ天上の青よりうすい青い色して   朝山桃花

独り居の女性が飼える黒き犬呼べば尾を振るいとおざなりに   稲垣保子

食卓のトマトが鬼の心臓に見ゆると君に言ひてさびしき   苅谷君代

賛も否も表明できぬ会議にてハトサブレーを小さく割りおり   久保田和子

着替へたる背広のままで椅子深く眠る客あり胸に手を置き   黑田英雄

次の世も女でありたし望むのは何か一つの才能持ちて   越川幸子

カーテンを全て引き開け父は座す 九十八歳を居眠らぬため   斎藤賢悦

降るときも消えゆくときも音のなく雪の白妙むかしも今も   西崎信子

四月から確実に変わる生活の不安要素に絵文字を付ける   水口典子

参列者の多少によりて人の価値計る友より離れて立ちぬ   邑岡多満恵

山をおりて茶房にケーキを注文す恋人を呼ぶように「ポンヌフ」   山下裕美

正座して犬が信号待つゆえに赤信号を今朝は渡らぬ   関野裕之
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# by 31life | 2008-05-20 16:47 | My Favorite  

塔 5月号 掲載短歌

われの住むマンションリバーアイランド大家の名前は川島さんなり   飯村みすず

ニッポンの教養といふ番組で自慰を語りき太田光は

沈黙後ちひさいなと君は呟く新宿Royal Host(ロイホ)のホットケーキを

皆がみなNHKに出てゐるやうな人ではないさ紅茶がにがい

話などうはの空にてバイトせぬ君のヴィトンのバッグを見てをり
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# by 31life | 2008-05-18 23:02 | 掲載短歌  

塔 4月号 掲載短歌

冷蔵庫開ければ貴方の牛乳が腐つて隅に収まつてをり   飯村みすず

木星の地表のごとくどんよりと澱んでをりぬマグカップの中

ゆつたりと珈琲飲みつつ暇なふり眠いふりなどひとりぼつちで

電球の青紫の残像を追ひかけてゐる眠れないので

真冬には木綿が美味い豆腐切るやうに私を捨てたをとこよ

<百葉集>永田和宏選

真冬には木綿が美味い豆腐切るやうに私を捨てたをとこよ
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# by 31life | 2008-04-15 22:50 | 掲載短歌  

塔 3月号 掲載短歌

消音のまま動きゐるくちびるの濡れた表皮を見てをり我は  飯村みすず

こうやつて貴方をぢつと見てゐると貴方が誰かわからなくなる 

近づいて通り過ぎ行くせつなさよ今日もこの駅には止まらない

駆け足でのぼる歩道橋の上 無彩色になりさうな青

蟻みつめあのねあのねを繰り返す君 わたしのバスが行つてしまふよ
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# by 31life | 2008-03-18 13:07 | 掲載短歌  

題詠blog2008 003:理由

独身の気軽さなどを聞き続け結婚しない理由は聞かず
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# by 31life | 2008-03-12 02:46 | 題詠blog2008