塔 5月号

<若葉集>入会一年目の会員欄

道端に太陽数える少女いて一緒にかぞえていたい陽だまり

突然に止まった少女のスカートが立ち止まれずにふわりと進む

ほろほろと額に張りつく桜色たしかに世界は情緒化している

おもむろにべろりと出した赤舌にピアスのごとくはりつく錠剤

不幸なのがいやなのではなく不幸だとおもわれるのがいやだと泣いた

<澤辺元一評>
突然に止まった少女のスカートが立ち止まれずにふわりと進む

一見稚拙なところを残しているように見えながら、その場の情景がくっきり浮かび上がってくる。
「ふわりと」という擬態語が生きた作品。

<百葉集>一首選

突然に止まった少女のスカートが立ち止まれずにふわりと進む

<永田和宏評>
おもしろい一瞬を捉えた。結句「ふわりと進む」がうまい。少女はすっと立ち止まったのに、スカートのほうはそうすぐには立ち止まれない。スカートも別の個体であるかのように「立ち止まれずに」としたところがおもしろいのである。
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by 31life | 2007-05-15 01:00 | 掲載短歌  

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