カテゴリ:掲載短歌( 32 )

 

短歌研究4月号掲載短歌

病室で死にゆく人が生き残る人の写真を撮りてほほえむ

痩せこけた父を見て泣く見舞い人を殴りつけたる弟の涙

包丁に触れて黙する弟は亡き板前の忘れ形見なり

         以上 佳作  (馬場あき子選)
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by 31life | 2007-03-20 00:03 | 掲載短歌  

「短歌研究」2007年2月号掲載短歌

<準特選 岡井隆選>

今日もまた失敗したよ玄関のひなげしに呟きながら靴脱ぐ

わたくしの不幸を背負いこみひなげしは尚鮮やかな紅を燃やせり

ひんやりとした廊下に頬をつけあなたの言葉を葬ってゆく

ひなげしの傷つくたびにぽくぽくと咲かせるその素直さが憎らし

ひなげしの見られたがりの紅色をあなたと一緒に笑いたかった



びっくりしました。2006年11月に短歌を書きはじめて、
12月に初めて雑誌に投稿しました。
それがまさか準特選に入ってしまうなんて、
運がいいとしか言いようがありません。

短歌がますます楽しくなったことに感謝します。

<以下、岡井隆評>
「ひなげし」で統一した佳作であるが、内容はそう単純ではない。三首目のひなげしは廊下に頬をくっつけたまま「あなた」の言葉を葬ってゆくのである。「ひなげし」とわたしの駆け引きの中に、ある種の人間批評がこめられている。
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by 31life | 2007-02-15 00:45 | 掲載短歌