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短歌6月号

特選(栗木京子選) 秀逸(田井安曇選)

蛇口あけ疲れて泣きし台所ミルク缶だけそれを見ている

<栗木京子評>
「ミルク缶」は乳児用の粉ミルクの缶であろうか。
生まれて間もない乳児の授乳は数時間おきに行わねばならず、本当に大変である。ミルクを調合しようとして疲労のためつい涙が出てしまった。共感を呼ぶ場面である。「泣きし」とあるがそれ以上に感情をあらわにせず、ミルク缶に視点を絞って状況を描写したことで客観性備わり、説得力のある歌になっている。



佳作(加藤治郎選)

酔い果てて辿り着きしは駐輪場車輪カバーがぬるりと光る
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by 31life | 2007-05-25 01:06 | 掲載短歌  

短歌研究6月号

バギーが他人にぶつかるたびにぺこぺこと汗かく傍で眠るおさなご

馬場あき子選
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by 31life | 2007-05-20 01:14 | 掲載短歌  

塔 5月号

<若葉集>入会一年目の会員欄

道端に太陽数える少女いて一緒にかぞえていたい陽だまり

突然に止まった少女のスカートが立ち止まれずにふわりと進む

ほろほろと額に張りつく桜色たしかに世界は情緒化している

おもむろにべろりと出した赤舌にピアスのごとくはりつく錠剤

不幸なのがいやなのではなく不幸だとおもわれるのがいやだと泣いた

<澤辺元一評>
突然に止まった少女のスカートが立ち止まれずにふわりと進む

一見稚拙なところを残しているように見えながら、その場の情景がくっきり浮かび上がってくる。
「ふわりと」という擬態語が生きた作品。

<百葉集>一首選

突然に止まった少女のスカートが立ち止まれずにふわりと進む

<永田和宏評>
おもしろい一瞬を捉えた。結句「ふわりと進む」がうまい。少女はすっと立ち止まったのに、スカートのほうはそうすぐには立ち止まれない。スカートも別の個体であるかのように「立ち止まれずに」としたところがおもしろいのである。
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by 31life | 2007-05-15 01:00 | 掲載短歌