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My Favorite 塔 8月号 (作品2 池本一郎 選)

 塔 8月号 (作品2 池本一郎 選)からお気に入りを。


花酔ひの闇はひととき濃くなりぬブレスレットはひざにこぼれて   澄田広枝

惚けたらきっと私は本屋にて帯書(おびがき)読んでいるから 捜して   津野多代

お姉ちゃんになったのだからなどと言うな二児の父になれば子は吾に告ぐ   中野満代

帰省する子にふるさとは美しくあれ中央通りの躑躅咲き初む   明田光子

子によれば神奈川県はペガサスで茨城県はおっぱいに似る   尾崎智美

いくつもの記念時計に囲まれて書斎の中にわれはいるなり   鈴木啓三

差出人は父から兄に変わりたる小包届く季節のはじめに   沢田麻佐子

錯覚のままに過ぎ来し二年ほどを生き生きとしていたと言われき   西川啓子

人身事故のアナウンスあり一日が終わらんとする夜の車内に   みやちせつこ

思ひきりねぢりて捨てしビニール袋逆らふやうに徐々に籠いづ   関山正雄
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by 31life | 2008-08-20 19:04 | My Favorite  

塔 8月号 掲載短歌

<作品2 池本一郎 選>

あの人はあわいみずいろ前髪をふわりなびかせ近づいてくる   飯村みすず

おかしくもないのに笑う藍ふかく沈殿してゆく午前三時に

いっそのことこのアスファルトで果てようか蒸発しそうな夏の朝(あした)に

さようならテールランプが点滅し遠ざかってゆく あなたはだあれ



<百葉集(一首選) 永田和宏選>

いっそのことこのアスファルトで果てようか蒸発しそうな夏の朝(あした)に   飯村みすず



<六月号 黒住選歌欄評  >

すれ違いつつ入りたる三越のトイレの個室にチョコのにおいす   飯村みすず

(以下 市 美穂 評)
実際に体験しなければ生まれてこないような不思議かつ面白い歌。トイレとチョコという組み合わせが作者にとって印象的であったからこそ生まれたのだろう。
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by 31life | 2008-08-15 18:24 | 掲載短歌